イングマール・ベルイマン
監督
1918年7月14日、牧師の父エーリックと母カーリンの次男として、スウェーデンのウプサラに生まれる。ストックホルム大学在学中に演劇を学び、1944年にアルフ・シェーベルイ監督『もだえ』の脚本を手がけたのち、1946年『危機』で映画監督デビュー。
1952年の『不良少女モニカ』で、ゴダール、トリュフォーをはじめとするヌーヴェル・ヴァーグの作家たちに激賞され、1955年の『夏の夜は三たび微笑む』ではカンヌ国際映画祭の詩的ユーモア賞を受賞。続く『第七の封印』(56)、『野いちご』(57)、『処女の泉』(60)が各国の映画祭で受賞し、国際的評価が高まった。
60年代には〈神の沈黙〉三部作と呼ばれる『鏡の中にある如く』(61)、『冬の光』(63)、『沈黙』(63)を発表し、名声を確立する。70年代に入ると、パートナーであったリヴ・ウルマンを主役に据えた『叫びとささやき』(73)、『ある結婚の風景』(74)、『鏡の中の女』(76)等、数多くの傑作を輩出する。
1982年、5時間超にわたる大作『ファニーとアレクサンデル』を撮影後、映画監督業をやり尽くしたとして、事実上の監督引退宣言をする。その後は以前から並行して手がけていたスウェーデン王立劇場での舞台演劇に専念するが、脚本家として『愛の風景』(92)、『不実の愛、かくも燃え』(00)などの映画作品に携わる。
2003年、突如として20年ぶりの監督作となる『サラバンド』を発表。デジタルHDでの撮影に積極的に取り組んだ。2007年7月30日、スウェーデン南部フォール島の自宅にて、89歳で死去。生涯に手がけた作品は50本以上にのぼった。