監督からのメッセージ
デビュー作『マイ・ジェネレーション』を観てくれた若者と話す機会がある度、彼らは希望に飢えているのではないかと考えるようになりました。観客と映画製作を通じてコミュニケーションをはかりたいのなら、私は自分の心にある希望を表現すればよい。『俺たちの明日』は、こんなきっかけで脚本を書き始めました。
この映画は予め与えられた希望の物語ではありません。どこにあるのかわからない希望を探す旅に出ることについて描いたものです。主人公たちは、様々な形で現代の社会から抑圧された生活を余儀なくされている若者で、未来を夢見ることさえ出来ず、心の中に深い井戸のような闇を抱えています。彼らはデリケートで優しい人たちです。そして、全てが不確かな世界に住んでいます。この社会では、彼らは孤独に生きるか不確かさというシステムに組み込まれて生きるかしか方法がありません。私は彼らの近くに寄り添い、力になりたいと思うのです。なぜなら、それこそが希望への第一歩だと信じているからです。