ノ・ドンソク監督への質問
何から着想を得てこの映画を作りましたか?
「未来」と「少年」という二つの単語がまず頭に浮かびました。その二つの単語が合わさった「未来少年」という言葉が気になり、シナリオを書きはじめました。
前作の『マイ・ジェネレーション』でも主人公は若者でした。『俺たちの明日』と『マイ・ジェネレーション』の間に関連性や共通点はありますか?
ソウルという都市の片隅で暮らす現代の若者の姿を描いているという点が共通点だと思う。
プロの俳優でない人をしばしばキャスティングすると聞きましたが、何か特別な理由があるのですか?
(プロとして)訓練された感情(表現)ではなく、状況に応じて直接反応する事実性が重要だと思っている。その点では、一般人もプロの俳優に劣らない良い演技を見せるときがあると思う。
ユ・アインをキャスティングした理由は?
彼は見た目はアイドルスターのようだが、実際に会ってみると、生きた感情を大事にしている俳優だった。そこが気に入って参加してもらった。
過去の作品と同様、キム・ビョンソクが本作でも主要人物の一人を演じています。彼との出会いは?
短編映画を撮っている時にスタッフとして働いていた。そばで働いているのを見ているうちに、ある時、彼を念頭に置いてシナリオを書いている自分に気付いた。それが最初でした。
映画の中に描かれた古びた町並みが素晴らしいのですが、あれはどこですか?
ソウルのど真ん中にある麻浦(マポ)という場所です。今は再開発のまっさかりだが、高層ビルとバラック村が共存している所です。
この映画の時代設定は現在ですか、それとも少し前の時代でしょうか?
現在です。ソウルは、過去、現在、未来のすべての姿を持っている都市と思っています。ただ、この映画では過去と現在を描く方に焦点を合わせただけです。
ユ・アインやキム・ビョンソクが演じた二人のキャラクターは、監督の個人的な経験を反映したものですか?
監督の個人的な経験と俳優の経験、さらにはスタッフらの経験が、一緒に作品を作っていくうちに彼ら二人のキャラクターに溶け合ったように思います。
映画のキャラクターと監督の若い頃とで、似た所はありますか?
住んでいる町が似ている。ちょっとした事故を起こして歩き回ったりするのも…。
『俺たちの明日』では銃がキャラクターの行動に重大な影響を及ぼしますが、映画の道具として銃を使った理由を教えて下さい。何か特別な意味があったのですか?
A.現実に傷ついたジョンデという人物が、自己防衛のための道具として銃を手にすることを夢見るのはどうかというアイデアが先にあった。シナリオを書く際には、銃にものすごく執着を持っていたガンマニアの友人のことを思い出し、ジョンデのキャラクターを作りあげていった。
次回作について教えて下さい。
まだ具体的な話は出来ないのですが、雨の日に起きるちょっと変わったラブストーリーを企画しています。