2013年ベルリン国際映画祭にて、共感と絶賛の嵐を巻き起こし、 みごと最高賞である金熊賞と国際映画批評家連盟賞の2冠を勝ち取った傑作!
カリン・ペーター・ネッツアー監督が自らの体験を基に描いた、子離れできない母親と自立できない息子の葛藤と愛情の物語は、観るものすべての心をとらえ、ベルリンの客席は熱い喝采と割れんばかりの拍手に包まれました。親であり、子である誰もが通ってきた、ひとりの人間としての“自立への道。ふたりを待ち受ける、感動のラストに、涙せずにいられないー。
親の愛を子どもは知らず、子どもの苦悩に親は気付かない。
本当の“親子のかたち”を探し求めるふたりに訪れた、奇跡の瞬間とはー。
愛する息子を守ろうと、必死に奔走する母親。子を思う深い愛情が、逆にわが子の自由を奪っているとしたら…? 映画の原題「チャイルズ・ポーズ」(胎児の体勢)が示すのは、子どもが母親の胎内で丸まっている姿勢。親が子を育む愛情が、実は子どもを窒息させていること、親が子供の人格形成に傷跡をあたえているという、現代社会の抱える普遍的なテーマに果敢に取り組み、国境を越えた共感と賞賛を巻き起こしました。一方、視点を変えると、現代ルーマニアの特権階級の現実や、市民社会レベルに横行する権力の行使、腐敗の横行といったルーマニアの社会(保障)制度の実態が透かし見えてきます。
はたして母は息子を「胎児の体勢」から解き放ち、自由にすることができるのか…?
愛するがゆえの母の決断、息子の決断とは…?
映画界のnew trend“ルーマニア・ニューウェーブ”
数々の世界遺産に囲まれ「バラの国」「ワインの国」としても知られるルーマニアは、近年世界的評価を受ける映画監督を続々と生み出し、「映画新興国」として熱い注目を浴びています。 “ルーマニア・ニューウェーブ”と呼ばれる彼らの若き旗手であるカリン・ペーター・ネッツアーは、カンヌでパルムドールを受賞したクリスティアン・ムンジウに続き、世界三大映画祭の最高賞を母国にもたらす快挙を成し遂げました。そして、『私の、息子』はここ20年で、ルーマニア映画としては国内最高の大ヒット作となりました。