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第七の封印

ペストが蔓延し、世界の終末の不安に慄く中世ヨーロッパ。10年にわたる十字軍の遠征から帰途についた騎士アントーニウスと従者ヨンス。疲れ果て、浜辺で眠れぬ夜を過ごすアントーニウスの前に「死」と名乗る黒いマントの男が現れる。彼を連れて行こうとする死神に対し、チェスの勝負を挑むアントーニウス。「対局の間死はお預けだ。私が勝てば解放してくれ」。興味を示した死神は条件を受け入れ、チェスの盤を挟んで戦いが始まる。

夜が明け、故郷への道を急ぐアントーニウスとヨンス。道の傍らには馬車を止めて休んでいる旅芸人の一座がいた。役者のヨフは、目の前を通り過ぎる聖母マリアとイエスの姿を見るが、妻のミアは幻だと笑って信用しない。
教会を訪れたアントーニウスは、告解室に跪き、神への疑念と苦悩を語るが、聖職者のふりをした死神に騙されてチェスの作戦を教えてしまう。教会の外にはひとりの女が鎖につながれていた。彼女は魔女で、明日火あぶりの刑にされるのだという。農家に立ち寄ったヨンスは、盗人と鉢合わせた村娘を助ける。その盗人こそ、以前熱烈な言葉で騎士たちを十字軍に参加させた、神学者ラヴァルのなれの果ての姿だった。

旅芸人の一座は、陽気な芝居と歌を披露するが、キリスト像を掲げ、自らを鞭打って歩く異様な集団にさえぎられる。宿屋では大勢の客たちが、疫病がいつこの地方に飛び火してくるかと噂しあっていた。ヨフは鍛冶屋とラヴァルにからまれている所を、ヨンスに助けられる。

アントーニウスは、夫を待つミアと愛らしい子供ミーカエルと言葉を交わし、心を和ませる。そこに戻ってきたヨフ、ヨンスたちも加わり、草むらに腰を下ろして、野いちごとミルクを分けあって食べ、しばし平和なひとときを過ごす。この幸せな情景を永遠に記憶に留めたいと願う騎士。死神はヨフ一家に目をつける。

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